「パ・リーグCS第1S、楽天4-1ソフトバンク」(17日、K宮城)
今季限りで退任する野村克也監督(74)の集大成となる楽天が、ソフトバンクに4-1で勝ち、連勝で第2ステージ進出を決めた。田中将大投手(20)が無四球完投し、主砲の山崎武司内野手(40)が豪快な3ランを放つ完ぺきな試合内容。試合後、野村監督がファンの前で涙ながらにあいさつ。高らかに日本一を宣言すると、超満員のファンから“ノムラ・イーグルス”の大合唱が響き渡った。
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ファンは叫び、泣いていた。試合後のセレモニー。満員の大観衆の前でマイクを握ったノムさんの言葉に、誰もが胸を打たれた。澄み切った仙台の青空に響いたのは「楽天イーグルス」ではなく、割れんばかりの「ノムラ・イーグルス!」コールだった。
スピーチでは時折、声を詰まらせた。CS第2ステージが行われる札幌行きの切符を勝ち取り「今日、お礼を申し上げないとひょっとしてお礼の機会を逃すかもしれないので…」と切り出したノムさん。「先だって、球団から解雇という報告を受けました」と言葉が続くと、球場から怒号に近い大ブーイングが巻き起こった。
それでも球団への不満はあえて胸にしまい、ファンへの感謝と誓いの言葉に終始した。「何としても日本一になって、恩返しをしたいと強く、強く胸に刻んで戦います」。第2ステージの日本ハム撃破を一気に飛び越え、名将から出た“日本一宣言”。ファンは総立ちとなった。
日本一はもう、夢物語ではない。この日も、4年間で築き上げた“野村野球”の強さを見せつけた。球団創設5年目にして初出場のCSで、ソフトバンクを圧倒した。第1戦の岩隈に続き、田中が自身初の無四球で完投勝利。攻撃では主砲・山崎武が2試合連発となる値千金の3ランを放った。会心のゲーム運びだ。
CS開幕前は監督問題やチームの内紛で、揺れに揺れた。だが、終わってみれば、シリーズの重圧も騒動の影響も感じさせなかった。主役、脇役がそれぞれ役割を果たし「100点満点ではないけど、70点から80点。この2戦は選手個々の成長を感じた」とノムさん。ぼやきも封印し、自立しつつある選手の姿に目を細めた。
志半ばでチームを去る無念の思いは、今も当然ある。「まだこのチームは発展途上。もう1年くらいは時間が欲しかった。そうすればきちんとした土台作りの中で、優勝を狙えるチームができたんだけど…。第2ステージ、ボイコットするか!」。セレモニー後の会見ではやはり、球団に対する不満が噴出したが、もうぼやいてばかりもいられない。
セレモニーの最後、ファンに絶叫に近い口調で約束したからだ。「1試合でも多くみなさんの前に立てるように残り試合、頑張ります!」。監督生活24年目を迎えた名将・野村克也の戦いは、まだ終わっていない。